ADHDの特質と、虐待を受けた子供の特徴は似ていて、その区別がつきにくい、とよく言われます。専門の医師でも、診断を間違えることがある、と。長男の場合は、幼児の頃からの様子を思い返してみても、やはり生まれ持ってADHDであることは間違いないと思います。ただやはり育て方にも問題はあったと認めなければならないと思います。今回は私の反省も含めて、何が長男のADHDの性質を深めていったのか、について書いていきます。
私の育て方が悪かったから?
前回、ADHDの長男の生育歴についてお話しました。4年生の1月に診断が下ったのですが、それまで私は発達になんらかの障害があるのでは?と疑うことはほとんどありませんでした。確かに「何かおかしい」と思うことはありましたが、その原因についていつも私は「私のこれまでの育て方に問題があったから、こんな育てにくい子になったのかな」と母親である自分に責任を感じていたのでした。
これは私の性格でもあるのですが。何でも「自分が悪かったからこうなった」という思考回路があります。夫から暴力を振るわれたことも、「私があんな風に言わなければ暴力は防げたのに・・・」とずっと思っていました。
夫婦仲が悪かったから?
それに、夫婦仲も悪かったです。子供が生まれる前から夫から暴力を振るわれており、「許そう、忘れよう」と思いつつもできなかった。だから、私の悲しみ怒りやるせなさは普段からイライラになって現れ、夫に対してはつい冷たく接することがあった。そうすると当然日常的に夫婦仲は冷めた状態。夫は常に仕事で手一杯で私はワンオペ育児家事。イライラは育てにくさのある長男の育児にぶつけられることに・・・
育児の悩みは一人で抱え込んで・・・
特に3、4歳くらいから、落ち着きのなさや言うこと聞かなさ、注意散漫さが目立つようになり。その頃次男が生まれたこともあり、母親の注意を引こうとしてか長男は余計に手のかかる子に・・・つい大きな声で叱ってしまうことも。叱った後は必ず自己嫌悪になり・・・その繰り返しでした。
夫婦仲の良い家庭なら、夫にそんな悩みも相談できるのでしょうが、うちは元々会話の少ない家庭でした。だからいつも家庭のことは私が抱え込んで。
小学生になると
小学生になると、前回も書いたように授業がちゃんと受けられないということがわかりました。宿題も一人ではできず、常に横について教えてやらないとできませんでした。「この子は理解が普通より遅めかな」と思いつつ、様子を見ていました。今から思えば、親として危機感が薄かったと思います。
3、4年生ごろになると毎日のように兄弟喧嘩が勃発。原因はもちろん長男で、しかも何の理由もなく次男をからかい馬鹿にして叩いたり蹴ったり・・・。当然私は長男を叱ります。叱られたらまた長男の中に次男への焼きもちが起こり、次の喧嘩につながっていきます。この頃は本当につらかった。繰り返される兄弟喧嘩になすすべもなく、叱りつける声だけがどんどん大きくなって。泣きながら叫んだこともしばしば。
そんな状態だから、私の中にはいつも「私の育て方が悪いせいではないか」と自分を責める気持ちが常にありました。私がもっと良い母になれれば長男はもっと育てやすい子になるはず・・・と思いながら、その思いがさらに自分自身を追い詰めていったのでした。
父親からの虐待
小学生になると、夫の強い希望により長男は硬式野球を始めました。長男も野球が好きになり頑張っていました。ところが、夫は長男を早く上達させたいため、指導が厳しくなり始めました。夫は長男のためではなく、自分の満足のために野球で好成績をあげさせたかったのでした。本人は決して認めないだろうけれども。そしてその指導は行き過ぎたものでした。夫から長男への虐待の過去記事は以下に詳しく書いています。①理想を息子に押し付ける ②お父さんから虐待を受けています ③父親のエゴ 夫から長男への虐待④ 別居へ
悲しい負のループ
元々持っている育てにくい特性に加えて、夫婦仲が悪く家庭はいつもギクシャクして、母からはよく怒られる、父からは虐待を受ける、で長男の自己肯定感はどんどん下がっていったと思います。当然ADHDは悪化していったのだと思います。今思い出してもあの時の家庭環境は長男にとっては(次男にとっても)酷いものでした。良くなるADHDも良くなるはずがありません。
そして今。父親と別居して8か月。祖父母と母に見守られて、だいぶ精神的に安心して暮らせていると思います(私自身が、別居したことで精神的にとても楽に暮らせており、子供を叱ることも激減)。兄弟喧嘩もほぼ無くなりました。表情が穏やかになり、性格も素直になってきています。診療内科からもらっている薬も効いているのでしょう。少しずつ長男の人生が幸せのループに入って良くなっていくことを願っています。
↑上の写真は子供たちが大好きな手作りハンバーガー。きのことベーコンのソテーやブロッコリー、コーンスープを添えて。
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